消化器がん腹腔鏡・ロボット⼿術センター
センターには、手術支援ロボット「da Vinci Xi」が導入されており、食道がん、胃がん、大腸がん、膵がん、肝がんなどの様々な消化器がんに対してロボット手術を中心に最先端の低侵襲手術を行っています1)。医師の資格取得のための指定見学施設にもなっており、豊富な経験を活かしてがん専門病院など他施設のロボット手術の導入や技術指導にも協力しています2)。
1)消化器がんの累積ロボット手術数386例(2019年4月~2024年3月)
2)全国42施設(当センター指導医の他施設指導の実績)
当センターの3つの特長
1.経験豊富なエキスパートによる手術
手術支援ロボットの利点を最大限に発揮するには、多くの経験と高い技術を持つ外科医が、その特性をよく理解したうえで慎重に判断し実施する必要があります。当院では消化器領域で国内有数の豊富な経験を持つエキスパート医師が手術を担当します。
2.万全のチーム体制
ご高齢や心臓などに持病がある方にがんが診断されるケースが増えています。すべての方に最良の手術結果を得るために、消化器外科医と共に麻酔科医、手術室看護師、臨床工学技士などの専門職スタッフがチームを組み、周到な準備とサポートを行います。
3.薬物療法の併用による予後向上
手術は化学療法や免疫療法などを組み合わせることで、さらに治療効果を上げることができます。センターの医師は薬物療法の経験も豊富で、進行がんであっても最適な治療を組み合わせ、最大の治療効果が得られる方法を提案します。
患者さんのからだにやさしい手術で早期の社会復帰をサポート!
メリット1:術中の出血量が少ない
開腹手術と比べて、極めて少ない出血量。
メリット2:傷口が小さい
鉗子を挿入する8mm~12mmの傷口が数か所だけです。 (術式により異なります。)
メリット3:術後の痛みが少ない
皮膚や筋肉を切開した痛みはほとんどありません。
メリット4:術後の回復が早い
開腹手術よりも1週間以上も入院期間が短縮されることもあります。
メリット5:機能の温存率が向上
鉗子の操作性が格段に向上し、緻密な動きによって機能が温存できる可能性が期待できます。
腹腔鏡・ロボット手術とは
腹腔鏡手術
体に小さい穴をあけ、おなかの中にカメラを挿入してモニターに映し出される映像を見ながら手術を行います。
直線的で30cm以上の長さがある鉗子やはさみ、止血を行いながら切開が行える超音波凝固切開装置、腸管の縫合を行う自動縫合器などの腹腔鏡手術用の機器を使用します。
ロボット手術
術者はコンソールといわれる操作ブースに座って患者さんに直接触れずに手術を行います。 外科医の指先の細かい動きがロボットを通しておなかの中にある手術器具の先端部分に伝わります。
ロボット手術で用いる手術機器は人間の手以上に自在に曲がる関節を備えており、繊細な操作が可能です。 また、3D内視鏡で立体視するため、距離感がつかみやすくなります。
腹腔鏡手術と同様、様々な機器がロボット用に開発されています。
スタッフ紹介
当院では日本トップクラスの豊富な経験を積んだ医師たちが、患者さんのQOL(Quality Of Life:生活の質)向上に繋がる、質の高い治療を提供します。
消化器外科主任部長 兼
感染対策室室長 兼
消化器がん腹腔鏡・ロボット手術センター センター長
- 卒大 / 卒年
- 京都大学 平成4年
- 専門
- 上部消化管(胃・食道)
食道外科、胃外科の低侵襲手術のエキスパート。我が国におけるロボット支援手術の先駆者のひとりで、食道領域・胃領域のプロクター(指導医)として、国内多くの病院でロボット支援手術の導入支援、実技指導を行っています。
消化器外科主任部長 兼
医療安全管理室室長 兼
消化器がん腹腔鏡・ロボット手術センター 副センター長
- 卒大 / 卒年
- 奈良県立医科大学 平成6年
- 専門
- 消化器外科・大腸癌に対する低侵襲外科治療および化学療法
大腸癌に対する腹腔鏡手術、ロボット支援下手術の経験を多数持ち、国内の施設で講演、実技指導を行っています。 また化学療法についても専門的に行っており、診断から治療の全てにおいて、個々の患者さんにあった医療を提供することに日々努力しています。
消化器がん腹腔鏡・ロボット手術センター 副センター長
- 卒大 / 卒年
- 北里大学 平成9年
- 専門
- 肝・胆・膵
肝移植を含む多数の肝胆膵手術、がんに対する200例以上の腹腔鏡下肝・膵切除の経験を持ち、低侵襲手術から拡大切除まで幅広く対応します。
ロボット手術の看護師教育を担当していますが、女性はロボットと聞くと苦手意識が高くなりがちなので、写真を多く使ったマニュアルを作り、分かりやすい説明を心がけています。どの看護師が担当しても安心して手術を受けていただけるよう教育に邁進して参ります。また、ロボットチームの結束を高く保ち続けられるようスタッフと医師とのパイプとなり、よりよいチーム作りに貢献する所存です。
四方 麻琴(写真左)
我々MEサービス室は、今まで循環器疾患を中心に治療に携わってきましたが、2019年4月からロボット手術の導入にあたり、ダ・ヴィンチチームの一員として従事しています。手術前日には装置のセッティングと動作チェック、術中は使用物品の各装置への接続、画質の調整、ロボットアームの移動、ダ・ヴィンチ専用ベットの連動確認、装置トラブル対処などを行い、手術が滞りなく行えるように万全のサポートを行っています。近年、世間でも話題になっているロボット手術という最先端治療に携わる事、今までとは違った分野での業務に楽しさを感じると共にチームの一員として責任を持って積極的に業務に携わっていきたいと考えています。また、臨床工学技士の立場からより良い環境作りと各治療へのサポートを心掛けていきたいと思っています。