腹腔鏡下鼠径部ヘルニア修復術

ヘルニアとは、体の組織が本来あるべき位置からはみ出してしまう状態で、体のいろいろな場所で起こります。
お腹の臓器が壁の弱い部分やすき間と通って足の付け根に出てくるものを鼠径部ヘルニアといい、一般的に「脱腸」と呼ばれます。

鼠径ヘルニアの症状

  • 立った時に 足の付け根がふくらむ
  • 足の付け根に違和感がありチクチクする
  • 横になると膨らみがとれる

等の特徴があります。

飛び出た腸が戻らなくなり、吐き気や強い痛みが出ることがあります。 嵌頓(かんとん)と言い、腸が壊死し緊急手術を要することがあります。

日本国内の症例データベース(National Clinical Database)によると、日本全国で 1年間あたり約14万人の患者さんが手術を受けられており、決して珍しい病気ではありません。当科では、毎月10人程度の方が手術を受けられています。

  • 足の付け根の膨らみ
  • お腹の中

鼠径ヘルニアの治療法

鼡径ヘルニアは内服や筋力トレーニングで治ることは無く、放置しておくと徐々に大きくなってきます。
手術が唯一の治療法です。

手術について

お腹の壁の弱い部分やすき間を補強し臓器が飛び出さないようにすることが手術の目的です。 現在では、人工補強剤(メッシュ)を用いることが一般的です。
アプローチの仕方によって、腹腔鏡手術(お腹の中から修復)と鼠径部切開法(お腹の外から修復)があります。 当院では腹腔鏡手術を第一選択としていますが、患者さんの状況に合わせて最適な術式を決定しています。 それぞれの特徴に関しては、外来担当医師から説明させていただきます。

  • 手術で利用する人工補強剤(メッシュ)
  • 腹腔鏡手術のイメージ

入院から退院までの流れ

① 入院

手術前日が基本ですが、手術当日の入院を希望される方はご相談ください。

② 手術

術式にもよりますが、30分~80分程度です。術後3時間から歩行・飲水・食事が可能となります。

③ 退院

術後1~2日で可能となります。

術後の生活に関して

手術翌日からシャワーが可能です。メッシュが体になじむまで、術後2~3週間はお腹に力のかかる動作(重い荷物を持つ、いきむなど)は控えてください。
再発・疼痛・漿液腫・感染症など、術後に注意しなければならないことがあります。半年間程度は外来で術後の様子を見させて頂きます。

予約案内

土曜日午前にヘルニア外来を設置し診療を行っておりますが、それ以外(月曜から金曜までの午前・午後)にも当センターの消化器外科医師が診療を行っております。まずはご連絡ください。

外来担当表