手外科外傷センター

手外科外傷センターについて

当センターは手指切断(切断指ホットライン運用)や重度挫滅・デグロービング損傷などの四肢外傷を積極的に受け入れることを目的に設立しました。麻酔科・手術室スタッフ・病床管理者と連携し緊急手術に即時対応できる体制を整えています。通常業務がある中でも「なんとかして受け入れる努力」を関係スタッフ全員が意識することで成り立っています。
切断指だけではなく手根骨・中手骨・手指骨の骨折、関節脱臼、神経・腱損傷等の一般的な手外傷は100~150例/年ほどおこなっています。変性・炎症疾患などを含めれば手外科全体の手術は350~400例/年になります。
通常の手外科外来では「しびれ」を主訴とする手根管症候群や肘部管症候群、「痛みや引っ掛かり・動きの悪さ」を主訴とするばね指やド・ケルバン病、また最近の特徴として「手指の変形・痛み」を主訴とする変形性指関節症(へバーデン結節やブシャール結節、母指CM関節症)の患者さんが増えています。これらの疾患は更年期以降の女性に多く、女性ホルモンとの関連が指摘されており、女性ホルモンと類似した働きをする「エクオール」の摂取を積極的に取り入れています。患者さんの症状に応じて、内服薬や外用薬の処方やステロイドの局所注射を適切に行い、経過や病態によっては関節固定術や関節形成術、人工関節置換術をおこなっています。
当施設は日本手外科学会認定研修基幹施設に指定され専門的で高度な医療を提供すること、手外科医の教育・養成という役割を担っています。

研修施設認定証

主な対象疾患

切断重度挫滅、広範囲組織欠損
手指骨骨折、中手骨骨折、舟状骨骨折
腱断裂、神経断裂、脱臼、熱傷、切創、挫創、蜂窩織炎
ばね指、ド・ケルバン病
ヘバーデン結節、ブシャール結節、CM関節症
良性骨腫瘍神経鞘腫、腱鞘巨細胞腫、ガングリオン
手根管症候群、肘部管症候群
人工指関節
以上は代表的な疾患であり、その他手の疾患全般(※)に対応します。
(※) 関節鏡や内視鏡治療は行っていません(TFCC損傷など)

センター責任者

柳林形成外科・美容外科主任部長

手外科外傷センター長 形成外科主任部長
柳林 聡(日本手外科学会専門医・指導医、日本形成外科学会専門医・指導医)

代表的な手術件数

令和2年8月
~令和3年7月
令和3年8月
~令和4年7月
令和4年8月
~令和5年7月
切断指再接着術 35例 19例 12例
手指骨骨折手術 52例 46例 38例
腱縫合術 26例 22例 14例
腱移行・腱移植術 13例 12例 5例
腱鞘切開術 54例 90例 87例
神経縫合術 26例 14例 10例
手根管開放術 50例 41例 30例
関節固定・関節形成術 43例 24例 21例
人工指関節置換術 7例 9例 19例
遊離皮弁・動脈皮弁術 6例 8例 6例

外来受診方法

初診の患者さんは毎週木曜・土曜午前に受診してください。第1・3水曜午前と毎週木曜午後は予約の患者さんのみになります。
初診の患者様は予約の患者様の間で順番に診察させていただきますので、待ち時間が長くなりご迷惑をおかけいたしますが、紹介状がなくとも受診できます。