消化器がん腹腔鏡・ロボット手術センター概要

手術支援ロボット"da Vinci(ダ・ヴィンチ)Xi"
2019年4月稼働開始しました!

患者さんのからだにやさしい手術で早期の社会復帰をサポート!

メリット1:術中の出血量が少ない

開腹手術と比べて、極めて少ない出血量。

メリット2:傷口が小さい

鉗子を挿入する8mm~12mmの傷口が数か所だけです。 (術式により異なります。)

メリット3:術後の痛みが少ない

皮膚や筋肉を切開した痛みはほとんどありません。

メリット4:術後の回復が早い

開腹手術よりも1週間以上も入院期間が短縮されることもあります。

メリット5:機能の温存率が向上

鉗子の操作性が格段に向上し、緻密な動きによって機能が温存できる可能性が期待できます。

ロボット支援手術

「ロボット」と呼ばれていますが、手術を行うのは外科医自身です。
術者の機械操作に従って体内の針子が正確に動作する仕組みです。
関節機能付きの機器は、人の手よりも可動域が広く、精密で、体への負担が少ない手術が可能です。

からだにやさしい手術

ロボット機能は、今までの低侵襲手術(腹腔鏡下手術) などの特徴を活かし、より自在で繊細な動きを可能にしました。
優れた操作性は患者さんにとって大きなプラスの作用をもたらします。

適応疾患

食道がん、胃がん、直腸がんは保険診療で治療を受けることが可能です。

全ての疾患に適応するわけではありません。

医師紹介

各分野のスペシャリストによる低侵襲手術で難度の高い症例も安全に実施

当院では日本トップクラスの豊富な経験を積んだ医師たちが、患者さんのQOL(Quality Of Life:生活の質)向上に繋がる、質の高い治療を提供します。

消化器外科部長
副院長 兼 消化器外科主任部長 兼 感染管理室次長 兼 消化器がん腹腔鏡・ロボット手術センター センター長
岡部 寛

上部消化管(胃・食道)
京都大学卒業。
京都大学病院、市立大津市民病院などを経て現職。
日本内視鏡外科学会評議員・技術認定医。

消化器外科部長
副院長 兼 消化器外科主任部長 兼 医療安全管理室室長 兼 消化器がん腹腔鏡・ロボット手術センター 副センター長
松本 寛

下部消化管(大腸)
奈良県立医科大学卒業。
奈良県立医科大学病院、都立駒込病院 大腸外科部長などを経て現職。
日本内視鏡外科学会技術認定医。

はじめに

近年、さまざまな疾患(病気)に対する手術が内視鏡(腹腔鏡や胸腔鏡の総称)を用いて行われるようになりました。内視鏡手術の利点は、きずが小さいことによる美容性や痛みの減少だけではありません。

例えば、お腹を大きく開いて行う手術(開腹手術)の最中は、もちろん麻酔の効果によって脳では苦痛を感じませんが、体は強く反応しています。激しい運動をしている時と同じような状態になって、かなりの体力が奪われていきます。一方、腹腔鏡手術では、お腹の中では開腹手術と同じことをしていても、体の反応が小さく抑えられるため、奪われる体力も少なく抑えられます。そのため、手術後の体力回復が早く、入院期間も短くなります。また、腹腔鏡手術では気腹※1によってお腹を密閉して中の気圧を上げた状態で手術を行うため、出血量が少なくなります。さらに、乾燥による腹膜の傷みが少ないため、手術後の癒着も起きにくくなります。

このように、内視鏡手術にはいろんな利点がありますが、利点ばかりではなく欠点もあります。内視鏡手術では、手術をする外科医は患者さんの体の中を直接見ずに、モニターに映し出される内視鏡(腹腔鏡、胸腔鏡)の映像を見ながら手術をします。

内視鏡手術のイメージ
お腹の中を直接見ることはできません。カメラを通してモニター画面に映し出された映像を見ながら手術を行います。

つまり実際に手術する部位とは違う方向を向いて手術をしますが、このような作業に慣れるためには訓練が必要です。また、使用する手術器具はお腹や胸の壁に設けたいくつかの小さな穴を通して体の中に入れられますので、これらを動かす際には独特の動作制限がかかります。このような手術器具の動作制限を克服して安全で確実な手術を行うには、十分な訓練に裏打ちされた高い技術が必要です。

内視鏡手術では、手術器具の動作制限のために開腹手術・開胸手術と比較して安全性や確実性が下がる可能性があり、また大幅に時間がかかる場合があります。ロボット手術では、手術器具の動作制限が大幅に軽減されますので、内視鏡手術特有の技術的難度が下がり、安全で確実な内視鏡手術を提供しやすくなります。しかし、ロボット手術の有用性も、対象となる疾患や手術の種類によって異なります。

ロボット手術に使用される機械 da Vinci (ダ・ヴィンチ)Xiと手術の様子
外科医は患者さんに直接触れずに手術を行います。外科医の指先の細かい動きがロボットを通してお腹の中にある手術器具の先端部分に伝わります。

内視鏡手術・ロボット手術を適切に選択してその利点を最大限に発揮するには、内視鏡手術・ロボット手術だけでなく開腹・開胸手術の多くの経験と高い技術を持つ外科医が、内視鏡手術・ロボット手術の特性をよく理解したうえで慎重に判断し実施する必要があります。新東京病院では、我が国で内視鏡手術が導入された1990年代前半に外科医としてのキャリアをスタートし、内視鏡手術の進化とともに多くの消化器※2外科手術を経験してきた専門医が中心となり、高質な消化器内視鏡外科手術を提供します。

なお、当センターでは悪性腫瘍だけでなく良性疾患に対しても内視鏡手術を行っています。また、内視鏡手術の適応ではない患者さんに対しては従来の開胸・開腹手術も行っています。内視鏡手術の適応がある場合でも、患者さんが開胸・開腹手術を希望される場合には、開胸・開腹手術を行います。

※1 気腹:お腹の中に二酸化炭素を注入して手術をするためのスペースを確保する方法。例えていうと、お腹の中がドーム球場の様な状態になります。
※2 消化器とは食道・胃・腸・肝臓・膵臓・胆嚢や胆管・脾臓など、食べ物の消化吸収に関与する臓器の総称です。

消化器に属する臓器

おもな内視鏡・ロボット手術についての概要

以下に説明する内容は、大まかなものです。実際にはそれぞれの疾患や患者さんの病状によりさまざまな違いがあります。詳細な内容については担当医がご説明します。また、ここにお示しするもの以外にも、施行可能な術式があります。情報が必要な方は当センターまで直接お問い合わせ下さい。

上部消化管(食道・胃)

肝胆膵

下部消化管(大腸)

スタッフ紹介

各分野のスペシャリストによる低侵襲手術で難度の高い症例も安全に実施します。