院長挨拶

中尾 達也

写真: 院長 中尾 達也

2023年6月1日より、新東京病院の新院長を拝命した心臓血管外科主任部長の中尾達也です。私は松戸の新東京病院に広島から来て14年目になります。私のこれまでの人生で培ってきた信条は道の真ん中を歩くことと、人とのご縁を大切にすることです。このことは、2022年12月に現代書林から出版された自叙伝「いのちを救い、縁を繋ぐ生き方」にも詳しく記されていますが。病院管理者としての私の経験はもちろん足りないことばかりですが、新東京病院を誇りに思い愛する気持ち、この14年間新東京病院で医道に注いできた情熱を、多くの患者さんをはじめとして周りの多くの仲間たちがよく知っていただいているとの想いもあります。そしてこの想いこそが、私に新院長としても求められている最も大切であることならば、との思いで今回の院長という大役をお受けすることを決断しました。

現在の新東京病院は、2012年12月に入院や救急を和名ヶ谷の地に移し、外来を松戸駅東口の新東京ハートクリニック、新東京クリニックに置いております。その間をシャトルバスでの往復移動という手段で賄っておりますが10年以上の年月経過とともにタイムスケジュールの上で、不都合や不便な問題も生じております。一方、この10年以上の月日とともに現在病床数430床で9つの手術室と6つの心臓カテーテル室、18床のICUと14床のCCU、8床のSCUと3階建て別棟の消化器センターを備える日本有数の治療施設です。特筆すべきは、時代に呼応した各科のチーム医療を各領域のexpert達が患者様に提供できる体制を日常から整えていることです。

代表的な心臓内科では、適応制限や至適薬物療法推奨のため全国のどの病院と同じく以前のような冠動脈カテーテル治療(PCI)が出来なくなっています。当院ではいち早く経皮的大動脈弁置換術(TAVI, 年間約120例)、経皮的僧帽弁逆流治療(Mitra clip, 年間15~20例)、経皮的Impella導入による急性非代償性心不全治療を院内にいち早く取り入れ、どのような患者さんも受け入れを断らない「No Refusal Policy」の心臓血管外科とコラボレーション しての循環器センターを、多くの末梢動脈カテーテル治療や心臓不整脈カテーテル治療チームとともに運営しています。

消化器内科、消化器外科は上下部消化管、肝胆膵治療をexpert指導医のもと全国から勉強に来た若い先生とともに多くがダヴィンチ手術(ロボット手術)を施行、優秀なスタッフを揃える整形外科や脳神経内科を要す脳神経外科も最先端治療を展開しています。呼吸器外科は、完全内視鏡手術での知名度は全国にとどろいていますし、形成外科・美容外科は魅力的な優秀な医師が揃い患者さんに満足度、安心感を与えています。麻酔科は、全員東大の医局から常勤医として来ていただいており、安心して手術を任せられる人材が揃っています。

新東京病院は、以前からアカデミックな医師であることを診療実績だけでなく要求される風土があります。年報でもわかるように、心臓内科を筆頭に毎年多くの英語論文を世に出しており、自分たちの診療や手術をきちっと検証しているところは何よりスタッフが誇りとするところであります。新東京病院が今後益々進化するように、病院スタッフ一同が新東京病院で働くことを誇りに思い、新東京病院でずっと働きたいと思うようにすることが院長となる自分がやるべきことだと考えています。さすれば、患者さまが安心して治療を受けれる新東京病院に近づけると確信しております。